昨年旅立った父はアルツハイマー型認知症でした。享年83歳。寅年に生まれて、寅年で旅立ちました。
働き者で面倒見がよく、ご近所さんからは信頼の厚い父でした。
そんな父、72歳の時初期の胃癌が見つかり胃の全摘を行いました。
その入院の際、術後にせん妄が出ていました。今思えば、その頃から少しずつ始まっていたのかも。
晩年最期の8ヶ月間は施設でお世話になりました。(←思ったより短い期間だった)
きっかけは、腰椎の圧迫骨折。
それまでも母と二人でがんばっていたけど、ケアマネさんから入所を進めていただき・・・お世話になる事になったのです。
入所前日は母と泣いたなぁ。
入所した施設は父が元々デイサービスで通っていた場所。父も馴染みがある場所だし、職員さんも顔なじみが多いので心配のタネが少しでも少ないほうがいいと思って決めました。
何より母も私もあの明るい雰囲気が気に入ったんです。ほら、大体第一印象で何でも決まるじゃないですか。
私には第一印象がハナマルだったのです。
父が入所して初めて施設を訪れた日、その日担当の介護士さんが・・・
ありえん(T_T)
言葉の端々から感じる認知症をバカにする感じと見下した感じ。こちらとしては、お願いするしかないので
ほんとにグっとグっと我慢して、頭を下げましたよ。私は。
奥歯を噛み締めて頭を下げましたよ。
あの時の私を褒めてあげたい。
一緒に施設内を案内してくれた担当のケアマネさんが帰り際『何かおっしゃりたい事や、感じた事はありませんか?なんでも言ってくれていいんです。』と言ってくださいました。
もぉ~私はガマンの限界!だったけど、思った事や感じた事を丁寧に伝えました。
お世話になる側は、何を言われても頭を下げるしかありません。
認知症になって色んな事がわからなく、出来なくなったからといっても大切な家族です。
大切な父なんです。介護士の方に家族と同じようにとは言いません。
でも、一人の人間として尊厳を持って接していただきたい。
というような事を言った気がします。
今でもはっきり覚えてるのは、そのケアマネさんから『ありがとうございました』と言われた事です。
いくらお世話になるからといって、言いたい事を言わずにというのは違うんだなと思いました。
逆にお世話になるからこそ、言わなければいけない事もあるんですよね。
より良くしていく為なんだもんな。
その最初の出来事以外は何も言う事がないくらい、よくしていただきました。
むしろ、その出来事を忘れていたくらい(←後日お礼のご挨拶に伺った際、あの時は~って言われて思い出した)。
今でも感謝してもしきれない。
施設を選ぶうえで大切な事は
・第一印象
お世話になっていく中で大切な事は
・思った事や感じた事は伝える
事だと思いました。
後々聞いたら、私が言った事をきっかけに全体会議が行われたらしく、施設全体で改めて見直す事が出来たそうです。
・・・その介護士さんは配置転換されたらしいけど(←以前から問題になってたらしい)。
父がお世話になった施設だもの、これからも利用者や家族が笑顔になれる施設でいて欲しいと思います。
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